Q&A

Q1.なぜ、アブリスボ®の接種推奨時期を妊娠28週から36週としているのでしょうか?

A1.アブリスボ®は妊娠24週から36週まで接種可能なワクチンですが、妊娠28週未満での接種よりも28週以降の接種のほうが、新生児・乳児のRSウイルス感染症予防効果が高い可能性があります1,2)。
妊娠32週から36週での接種を推奨する国もありますが、妊娠28週以降の接種での早産率や低出生体重児の出生率の有意な増加は報告されていません1,2)。日本ではRSウイルスの流行時期が一定でないこともあり、本学会としては各医療機関や妊婦さんがフレキシブルに接種を検討しやすいよう、妊娠28週から36週という広めの期間を接種推奨時期として提案することにしました。

Q2.アブリスボ®の副反応について、妊婦さんやご家族にどのように説明すべきでしょうか?

A2.発売前の臨床試験では、アブリスボ®接種による早産率や低出生体重児の出生率の有意な増加は認められませんでした。母体の数パーセント程度に発熱や接種部の疼痛が認められたものの、重篤な有害事象は増加しませんでした1)。この臨床試験には462人の日本人妊婦も参加しており、同様の有効性と安全性が示されています2)。
「アブリスボ®接種によって、早産率や低出生体重児の出生率が上がったり、お母さんの重篤な副反応が増加したりすることは、現時点では確認されていません」というようなご説明はいかがでしょうか(あわせて、本ホームページもご案内ください)。

Q3.胎児に先天性心疾患が疑われる妊婦さんには、どのように説明すべきでしょうか?

A3.アブリスボ®を接種していただいても大丈夫ですが、重篤なRSウイルス感染症リスクのある新生児・乳児には生後、さらに抗RSウイルスモノクローナル抗体製剤の投与が追加になることがあります。先天性心疾患や36週未満の早産、トリソミー21などの重篤なRSウイルス感染症の発症リスクを有する新生児・乳児には、アブリスボ®接種の有無にかかわらず、抗RSウイルスモノクローナル抗体製剤の投与が推奨されます3)。

Q4.妊娠高血圧症候群(HDP)を有する、あるいはリスクがある妊婦に対する接種はどうすればよいでしょうか?

A4.海外における一部の報告では、妊娠高血圧症候群の発症リスクが増加する可能性があるという報告もありますが、結果の解釈に注意が必要であるとされています。薬事承認において用いられた臨床試験では、妊娠高血圧症候群の発症リスクの増加は認められませんでした。したがって、アブリスボ®の接種を妨げるものではありません。産婦人科主治医の判断のもとで接種可否を決定し、接種後には通常の妊婦健診に準じた総合的な臨床症状の評価やモニタリングを継続することが重要です4,5)。

Q5.他のワクチンとの同時接種はできますか?

A5.他のワクチンとの接種間隔について特に制限はなく、同時接種が可能です。海外で使用されている百日咳成分を含むワクチンとの同時接種により、百日咳菌の防御抗原に対する免疫応答が低下する可能性が報告されていますが、その臨床的意義は明確ではありません。医師が必要と認めた場合には国内の3種混合ワクチンとの同時接種を行うことはできるとされています4)。

引用文献

1)Kampmann B, et al. Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants. N Engl J Med. 2023; 388(16): 1451-1464.
2)Otsuki T, et al. Efficacy and safety of bivalent RSVpreF maternal vaccination to prevent RSV illness in Japanese infants: Subset analysis from the pivotal randomized phase 3 MATISSE trial. Vaccine. 2024; 42(22): 126041.
3)⽇本⼩児科学会 予防接種・感染症対策委員会. ⽇本におけるニルセビマブの使⽤に関するコンセンサスガイドライン Q&A(第3版一部修正)(2025年8月31日改訂、2025年10月7日一部修正)
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20251009Nirsevimab_GL_QA.pdf
(2026年4月30日アクセス)
4)日本周産期・新生児医学会. RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)の定期接種化にあたって. (令和8年4月7日)
https://www.jspnm.jp/modules/notice/index.php?content_id=219
(2026年4月30日アクセス)
5)日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会. RS ウイルスワクチン(アブリスボ®筋注用)の妊婦に対する定期接種化について.(令和8年3月23日)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20260324_kaiin.pdf
(2026年4月30日アクセス)

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